『横浜リボン2016・春』
2016年4月9日(土)横浜・大さん橋ホール
13時00分開始/12時30分開場
観衆 262人(満員)
◆第1試合 シングルマッチ10分1本勝負
○長浜浩江 vs 沙弥×
(6分18秒 ギブアップ)
※ロングビーチ
デビューから6戦目で初めて他団体選手とのシングル戦に臨んだ沙弥。序盤いきなり長浜のドロップキック連打を浴びる苦しい展開となったが、しのいだ沙弥は同じくドロップキックで反撃に出るなど気の強いところをみせる。さらにまる子から勝利を奪った執拗な丸め込みで勝利を狙うが、最後は長浜のロングビーチにギブアップ。
試合後、マイクを手にした長浜は、沙弥のセコンドに入っていたまる子に「横浜文体は間に合うのか?」と切り出すと、大晦日の後楽園大会の再戦となる長浜軍vsまる子軍を要求。片手を吊った状態のまる子だが「文体には出ます!」と長浜の対戦要求を快諾すると「自分が一番目立って、横浜文体が自分の初勝利に日になります!」と力強く必勝を誓った。
◆第2試合 シングルマッチ15分1本勝負
○宮城もち vs 235×
(6分11秒 体固め)
※メタボリックサンド
3月26日アイスリボン717の再戦。試合前235の差し出す握手を拒否したもちは、開始早々エルボー、ストンピングと一撃で235を吹っ飛ばす攻めを仕掛けていく。ダメージを受けた235は既に虫の息。なおも235を引きずりながら痛めつけるもち。試合はこのまま終わるかと思われたが、うめき声を上げながらも235は必死の形相で立ち上がってみせた。なりふり構わないとばかりに、コーナーに上がるもちの足にしがみつき、もちに追撃を許さない。さらにエルボーを叩き込んでいく235。その攻撃からは「負けたくない」という235の必死さが伝わってきた。これまでの235からは感じられなかった闘争心。道場マッチの座談会での発言にしても「いつか勝ちます」「頑張ります」と語ってきた235だが、その言葉にはどこか形通りの発言。しかし、この日の235はボロボロ状態で、半分泣きながらももちに食い下がっていく闘争心があった。最後はもちのメタボリックサンドに敗れたものの、試合後はもちから笑顔で235に握手を求めてた。もちとの連戦を経て235はプロレスにとって大事なことを手に入れたようだ。
◆第3試合 雪妃真矢7番勝負(3番目)シングルマッチ30分1本勝負
○ダイナマイト関西 vs 雪妃真矢×
(7分59秒 エビ固め)
※スプラッシュマウンテン
豊田、尾崎とレジェンドとの対戦が続く雪妃の七番勝負、今回も大きな壁が立ちはだかった。先日引退を発表したダイナマイト関西。引退を発表するもその爆発力は決して衰えてはいない。一撃一撃の蹴りの重さはもちろん、絞め技ひとつ取っても文句なし。雪妃もトリッキーな蹴り技を入れながら何度も勝負を仕掛けたが、関西からフォールを奪うダメージは与えられない。それどころか関西からの倍返し、3倍返しを浴び劣勢に追い込まれてしまう。最後は関西がバックドロップから必殺スプラッシュマウンテンを決め雪妃を沈めた。試合後、関西は「もうオレには時間がない。いつでも(雪妃と)やってやる。オレから盗めるものがあったらどんどん持っていけ!」とメッセージを送った。
◆第4試合 タッグマッチ20分1本勝負
豊田真奈美&○つくし vs 藤田あかね×&山下りな
(10分41秒 ジャパニーズオーシャンスープレックスホールド)
3月12日後楽園大会でつくしにコスチュームをプレゼントした豊田が、つくしと久々の親子タッグを結成。前回と同じコスチュームのつくしは、さらに豊田からガウンも借りてご満悦の表情を浮かべ入場。そして試合においても2人の息はぴったり。あかね&山下を相手に立体技を駆使しながら有利に進めていく。最後は粘るあかねを捉え、つくしが豊田から伝授されたジャパニーズ・オーシャン・スープレックスを初公開し、あかねから3カウントを奪った。ジャパニーズ・オーシャンに関しては、藤本が豊田からサイクロンを伝授されているが、つくしの体格を考えれば、高さで投げるサイクロンよりも、スピードで投げるジャパニーズ・オーシャンのほうが破壊力が安定すると豊田も考え伝授したのだろう。つくしにとって、ひとつ奥の手が増えたことは文体での里村戦への大きなカギとなるだろう。
◆第5試合 シングルマッチ30分1本勝負
○藤本つかさ vs 松本都×
(11分06秒 片エビ固め)
※ビーナスシュートからマンマつっか
「伝えたいことがある」と藤本とのシングルマッチを要望した都。嫌々ながら都の望みを聞いた藤本だが、「秒殺します」と語っていたように、開始と同時にコーナーを飛び出し丸め込みを連発してフォールを狙いにいく。都も秒殺で負けるわけにはいかないと必死にキックアウトしながら藤本の猛攻をしのぐ。さらに場外戦に藤本を誘い込み、試合の流れを戻そうとしたが、リングに戻ると再び試合は藤本ペースに。珍しくマンマミーヤZもヒットし、食い下がった都だったが、最後は藤本のビーナスシュートに大の字。ここで藤本はマンマミーヤならぬマンマつっかを決めてフォールを奪った。試合後、都に「私にメッセージがあるって何だったの?」と尋ねる。これに対して都は「つっかは横浜文体を前にめっちゃピリピリしてたじゃん。髪の毛が抜けちゃう夢を見るくらいに。大変なのは分かるの。私とかアイスの子とか、いっぱいいるじゃん。つっかだけじゃないじゃんアイスリボンは。だからもっとみんなを頼ってほしい。プロレスをもっと楽しんでほしいなと思った。今日の試合楽しかったでしょ?」と藤本の身を案じる言葉を送った。藤本は横浜文体の自分の対戦カードが未だに決まっていないことを明かし、都からの「やりたい人はいないの?」との問いに「サンダーロック(との試合が)流れて、今やりたい人って言ったら・・・・高橋奈七永」と答えた後「まだ何も交渉とかしてないけど」と付け加えた。また都の対戦カードはリングとは別にステージ上にマットを敷き、2か所でフォールが認められる変則ルールでの4チーム参加のタッグ戦と発表。文体まですでに1ヵ月を切っている。果たして藤本の対戦相手は誰になるのか?
【休憩明け】
休憩明けの会場に柊くるみのテーマ曲が流れくるみがリングに上がり横浜文体での復帰を報告。昨年7月4日の横浜リボン以来、10か月ぶりの復帰戦に向けて「怪物がさらに怪物になって戻ってくるので楽しみにしていて下さい」と語った。
◆第6試合 トライアングルリボン選手権試合15分1本勝負
(王者)○チェリー vs ベーター・ノワール×(挑戦者)
(5分14秒 体固め)
※弓李を背負いボディプレス
※もう1人は弓李
※第21代王者初防衛戦に成功
再来日したベーターの希望で実現したトライアングル王座戦。試合はベーターが持ち前のパワーで2人を圧倒するも、トライアングル戦に長けたチェリーと弓李がベーターの独走を許さない。チェリーがインサードワークで勝負に出れば、弓李は得意のグランドに持ち込み、チェリーとベーター2人を腕十字に決めるなど、パワーだけでは勝ち残れないトライアングルならではの動きが随所でみられた。最後もベーターが弓李を捉え、エアープレーンスピンに決めたところを、チェリーがカウンターの熟女でドーンをベーターにヒット。倒れたベーターに半失神状態の弓李をおぶったチェリーがボディプレスを決めてのカウント3。チェリーの頭脳プレーが光った。試合後マイクを手にした弓李。またもベルトに手が届かなかったものの「私は負けてません。横浜文体で挑戦させて下さい」とチェリーに直談判。「あきらめの悪い女だなあ」としながらチェリーも弓李の再挑戦を了承。また弓李は更にチェリーに横浜文体までのアイスの道場マッチ全試合参戦&全試合での対戦を要求。対戦することで攻略法を考えるという弓李に「簡単に私の41年のキャリアが分かると思うなよ」とチェリーもその要求を飲んだ。連続挑戦の機会を与えられているものの未だ勝てない弓李にとって、横浜文体でのタイトル戦は正念場となりそうだ。またメイン終了後に大畠がトライアングルへの挑戦を藤本に直訴。藤本の推薦枠として大畠がもう1枠に入った。
◆第7試合 タッグマッチ30分1本勝負
×世羅りさ&中島安里紗 vs 優華○&大畠美咲
(13分43秒 スクールガール)
ICE×∞王座を巡る世羅と優華のタッグ対決もクライマックス。入場式から世羅を意識しまくりの優華が先発を買って出ると「世羅、出て来い」と吼える。これにチャンピオンの世羅が応え、試合は世羅vs優華でスタート。先制のドロップキックを決め、さらに大畠とのダブルドロップキック、ダブルエルボーをヒットさせた優華だが、これをしのいだ世羅はパワーで優華に反撃。さらに中島がアシストし、前半は優華が捕まり防戦に回る展開となった。優華のピンチに大畠が巻き返しに出る。因縁浅からぬ中島との勝負をはじめ、世羅に対してもダイビングプレスを決め優華につなぐ。最後は世羅vs優華の局面。互角の攻防が展開される中、大畠の裏拳を浴びよろめいた世羅をこの試合2度目のスクールガールに丸め込んだ優華が3カウントを奪取。3月30日アイスリボン718に続き、チャンピオンの世羅から直接2度目のフォールを奪った。試合後、優華は「シングル王者の世羅りさに2回勝ちました。っていうことは、自分とタイトルマッチして下さい。場所は5月4日。もちろん横浜文体で」と改めてタイトル挑戦をアピール。これを受けて世羅も「アイスリボン10周年のビックマッチ、横浜文体でこのベルトを賭けてお前と戦う。それがどういう事なのか、よく分かっている。でも私も優華とタイトルマッチをやりたい。お願いします」と挑戦を了承。2人の気持ちが固まったところで、藤本が「世羅、優華、5月4日アイスリボン10周年の横浜文体。2人にメインを託します。優華、言葉にすれば夢は叶うんだね。実現させた。本当にすごいと思います」と正式に2人のタイトル戦を横浜文体のメインで行うことを明言した。「どうしよう。夢なのかなぁ?起きているのかなぁ?夢じゃない?そうですよ!メインですよ!言霊ですよ!ねぇ世羅さん」と歓喜の優華は最後の円陣ではいきなり自作『ぶんぶん文体』なる歌を即興で歌い出す。アイスリボン10周年のメインで、ギャリア4年目の王者、世羅と、キャリア3年目の優華がアイスリボンの新しい時代の扉を開く。
【インタビュー・スペースでの優華】
「言霊ですね。メインって重要だと思うんです。重要だと思うから"私じゃ立てないってなって”(メインで出たいという事を)言葉にする人が1人も出てこなかったと思うんです。でも、頭の逝った人が何も考えずに言葉にしてみたら・・・本当に叶って、私は今、起きてるのかなぁ?世羅さんとは昔からですけど、初めてシングルをして自分のプロレスが変わって、自分が落ち込んでいる時とか、プロレスは楽しいって思えるきっかけも世羅さんとの試合なんです。エルボーで感情が伝わり合うし、試合していて気持ちが通じ合える。大っ嫌いですけど、でも勝ったことがなかったのに、ここで2回も勝てて。絶対に挑戦してやると思いました。勝てますよ」
【インタビュー・スペースでの世羅】
「先日の道場マッチに続き、優華に直接フォールを取られてしまって。優華とは"いつか後楽園ホールのメインで戦いたいね"っていう話をしたことがあって。私も優華もシングルで後楽園ホールのメインに立ったことはない。その2人が横浜文体のメインに立つって思うと・・・この気持ち(言葉で)表現出来ないです。怖いっていうよりは楽しみな気持ちが多いし。メインでベルトを賭けて戦うというのは、防衛戦としては初めての経験なので。本当にどうなるか分からないけど、私も優華もメインを務める覚悟はあるので、いつか来るだろうと思っていた優華とのタイトルマッチを楽しみながら、横浜文体のメインを務めあげたいと思います」
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4月9日「横浜リボン2016・春」試合結果
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